すがちゃんねる・謎の勇者ブログ

聖遺物・黒魔装束・伝記などの研究をしている探求者…という設定の雑記ブログです。

「既成概念を破壊せよ!」伝説の読切シリーズ・葵DESTRUCTION!で得るべきものとは。

「ショタ萌え。」…(ただし、搭載されている設定は想像を超える)。

井上和郎先生の短編集・葵DESTRUCTION(あおいデストラクション。以下、葵)。

当時はネット上の「自分の中の何かが壊れた!」という大反響をリアルタイムで体感しました。

 

そして、間もなくしてブコメ版・寄生獣としても名高い?

美鳥の日々(以下、美鳥)が連載開始されました。

美鳥が連載中も葵が増刊号で読切で掲載され、単行本で3回分収録されています。

短編集なので、他の作品も収録されていますが今回は葵のみに焦点を当てます。

 

これより先はレビューになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは知っておきたい。

主人公・哲夫(コワモテ)のお父さんであるヒロイン(?)・葵さんの属性がこちら。

  1. 38歳の中年男性
  2. ただし、見た目も仕草も完全に女子中学生
  3. いい匂いがする
  4. チョコバナナが大好き。

 

「もう、この時点で勝ってんじゃん…。」

しかし、驚くべきはラノベ原作アニメの定着化や男の娘ブーム前だったということです。

そして、これが少年誌であるサンデー本誌や増刊号に掲載されたという事実…。

 

そんな、ふしぎな?お父さん萌えしてみたいと思いませんか?

 

だから、レビューをする。

空手道場の入門者が葵さん目当ての紳士しかいなくてその時点でもう面白い。

その紳士から父親を守るべく、奮闘する哲夫が彼らを追い出すため道場の経営が破綻しているというもの。

ヤンキーたちが葵さんの可愛さをさらに引き立てているのがミソ

(入門前から何か憎めないキャラからリアクション担当に昇格している)です。

 

シリアスな面での話になりますと、バイト先の葵さんに好意を寄せた

男性客の青年にあえて本当のことを話さないのもやさしさだと学習できます。

葵さんが就職先で仲良くなった女性と再婚をにおわせながらも、

相手の女性は実は男性だった!など、もし連載されていれば波乱の展開も?

…などと、葵さんを中心に話が動いているのを感じました。

 

作者のあとがきが興味深い

※引用:井上和郎短編集・葵DESTRUCTION!

葵デストラクションのこと

 

 鮫島 葵 38歳。見た目がかわいいお父さん。

 

 この話を思いついたきっかけは、僕がまだ藤田和日郎先生の所で

 

アシスタントをしていた頃に見た、あるTV番組でした。その内容

 

は「オカマさんとオナベさんの間に子供ができた」というモノ。

 

 ……その子供から見たら、この両親をどう思うんだろう?

 

 見た目がかわいいお父さんに見た目がかっこいいお母さん。

 

 やっぱり混乱するだろうと思うけど、それでも親子の絆や愛情は

 

変わらないハズ。そんなことをまんがにしてみようと思ったのが始

 

まりでした。

 

 

 

 このまんがをやるまでは熱血バトルまんがのような少年まんが的

 

なモノを書くのがあたり前だと思っていた所もあって、そんなカン

 

ジのまんがを作っていましたが、「葵」を描いた事で僕の中で何か

 

が崩壊しました。

 

 自分が面白いと思ったモノなら何やってもアリなんじゃないか?

 

 少年まんが的とか、決めうちしなくても、いいんじゃない

 

か?って。これ以降のまんがは。あまりまわりのことを考えず自分が

 

面白いと思ったこと、くだらねーと笑いながら話せるネタをまんが

 

にする方向に変わってます。

 

 当時たくさんの手紙をもらいました。ネットでも色々取り上げて

 

もらったりしました。その中で一番多かった感想が、「このまんが

 

を読んで、自分の中で何かが壊れました」という内容のものでした。

 

 でも、今こうして時間をおいてこのまんがを考えてみると、葵に

 

一番壊されたのは僕の中の「少年まんが」に対する既成概念だった

 

ように思います。

 

 おそるべし、鮫島 葵 38歳。 

 

既成概念を壊す。枠にとらわれず、自分が面白いと思ったことをやる。

ショタお父さん萌えという強烈な個性の作品から大事なことを学びました。

 

萌えマンガや紳士御用達のイメージで敬遠される方は本当にもったいないので、

必ずお読みください。得るものはかなり大きいですよ!

 

…いつだって、新しい世界観が人を変えるのだから。